ペンは剣よりも強し

好きなことを、好きなときに、好きなだけ。

SUPERHEROISM再演ありがとうございました。

2020年3月14日に、私はこのブログを書いているはずでした。

行くはずだった大阪公演は中止になり、1度だけ上演された東京公演。

当時の私は高校卒業したてで、これが大学受験後の楽しみでした。「大学受かって楽しい気持ちで観に行くぞ!」と意気込んで申し込みをしたことや、「スパヒロがあるからがんばらなきゃ。」との一心で眠い目を擦りながら勉強したことがもはや懐かしい、、、。この頑張りは「合格」という形では報われたものの、「大好きな嶺亜くんの初主演舞台を観る」という形では報われませんでした。

それから1年以上経ち、私はもう大学2年生に。時の流れの早さに驚きながら、日本青年館ホールへ向かった2021年6月23日。きっと、高校生の私よりも、今の私こそ、この作品を観るべきだったのかもしれないと、観劇後に思ったのです。

 (以後ネタバレ含みます)

 

SUPERHEROISMを観劇して、感じたことが2つ。

 

①私の「普通」は、誰かにとっては普通じゃない

ゴタンダくんは、HeartBeatMarketの人たちとは違って普通であることに引け目を感じていました。でも、その普通って、少なくとも私にとっては、普通じゃなかった。私はゴタンダくんみたいに底抜けに明るくないし、初対面の人に好かれるような人懐っこさなんて微塵も持ち合わせていないし。

 

でも、そんな「普通」な自分も案外良いかもしれない、と、スパヒロが気付かせてくれました。

 

正直、最近周りの人が全員立派に見える症候群になっていて。

同い年なのに行動力が自分の1000倍ぐらいあったり、やりたいことを先陣切ってやっていたり、未来の自分の姿を明確に描いていたり、もう凄すぎて、、、

そんなこんなで自分の平凡さに頭を抱える日々が続いていたのですが、ゴタンダくんをみていたら、

「それでもいい」

「普通なようで、あなたは普通じゃない」

「それでもあなたは誰かのヒーローだよ」

って背中を押された気分になりました。

 

ゴタンダくんと私は本当に全然違う性格で、正反対といっても過言ではないんだけど、その中でも何となく似ているところがあるから、親近感を持てて、そばで寄り添ってくれた気がしました。そんな「そっと」感がたまらなく好きで、観ていてほっと安心しました。

ありのままの自分でも、誰かを支えたり、誰かのヒーローになれているなんて、そんな幸せがあるのかと思わず疑ってしまいそうになる。けど、HeartBeatMarketのみんなを見てると、多分そうなんだろうと、無鉄砲に信じられる。だから、普通の自分を悲観しなくていいって教えてくれたと思っています。

 

②かといって、ヒーローにならなくてもいい

最後にゴタンダくんは「ヒーローであることは案外虚しい」と言いました。

これを聞いて、別に絶対ヒーローにならなくてもいいんだなあ。とも思えたんです。

誰かに愛を与えてあげたり、誰かを守ったりするヒーローは確かにカッコいい。

だって、チサちゃんに気持ちを伝えるゴタンダくんとか、脅迫文をばあちゃんの遺書だって言うゴタンダくんは最高にイケてたし、思わずにんまりしちゃいました。

 

でもそんなヒーロー・ゴタンダくんが言うんですよ、「ヒーローであることは案外虚しい」って。

じゃあ私、ヒーローに守られる側でも全然いいじゃん?

守られるなかで、たま~に愛の売り場になったり、ヒーローになったりしてみれば、楽しい人生だろうなと思ったんです。

だから、遠くまで聞こえる口笛吹いてヒーローを呼ぶ側の私も、私であり、そんな私を愛してあげたい。

 

ヒーローである人、目指す人、ヒーローにならない人、なれない人、

いろんな人を肯定して、包み込んでくれる作品に出会えて心から幸福です。

(そんな優しさを一身に感じて公演中静かに泣いたことは内緒♡)

 

 

以上が、雑ではありますが、SUPERHEROISMが私にくれたものです。

終演後、日本青年館ホールから少し遠い駅まで歩きながら、いつもより少しだけ胸を張って歩いている自分が確かにそこにいました。

このエンターテインメントは、このスパヒロは、最高だった。

普通の私に寄り添って、励ましてくれて、明日を生きる勇気と愛と自信をくれる。

 

だからこそ何度でも言いたい。

 

再演してくれてありがとう。

リニューアルオープンしてくれてありがとう。

ゴタンダくんを演じてくれてありがとう。

 

 

 

P.S.

ゴタンダ役・中村嶺亜くんのファンによる、個人的な感想です。自分語りが沢山あってごめんなさい。

また、脚本への理解が十分ではなかったり、的を射ていないかもしれませんが、大目に見て下さると幸いです。